昨日のブログでも触れました150年以上の歴史があるプジョーのエンブレム。
農家だったプジョーが1810年頃、織物業を皮切りに工業に進出し、このライオンエンブレムを使用したブランド製品が登場したのは1850年のことでした。
1850年代は日本では江戸時代。黒船来航や安政の大獄から桜田門外の変に至る激動の時代でした。
ライオン・プジョー社ブランドの車のグリルには、矢の上を歩くライオンが飾られていました。その後数年間は、バイクや工具類にもこのモチーフのバリエーションが使われました。
1923年
ライオンのモチーフが大人気に
プジョー車のオーナーたちは、ラジエーター・キャップを彫刻家ルネ・ボーディションが彫ったライオンのマスコットで飾りました 。
丁度この年は日本では大正12年。関東大震災があり、その後戦争へと突入していきます。
この当時、すべてのプジョー車のフロントグリルに、ライオンの頭部があしらわれています。1935年にこのデザインは、「ソショー・ロケット」ラインの登場と共に変更されました。
雌ライオンが、203のボンネットを飾ります。このモデルには、フランス フランシュ=コンテ州の紋章にちなんだ新しいエンブレムが採用されました。
1950年代のこの頃は戦争から立ち直り始めた時代で、日本ではTV放送が開始されたり冷蔵庫や洗濯機等の“家電”が普及し始めました。
安全面を考慮し、1958年9月以降203と204のボンネットへのライオン頭部の装着が廃止されました。
この頃日本では東京タワーが完成し、高度経済成長の道を進んでいきます。
「PEUGEOT」の文字を配し、たてがみを風になびかせたライオンのエンブレムが、404で初お目見え。グリル中央部分に配置されました。
1960年代はケネディ大統領暗殺や有名なフランス映画『男と女』が公開されました。
今までにないモダン感覚の意匠。薄型で、ゴールド、またはクロームメッキのライオンが、504に新登場します。
時は1970年代。この時代のファッションや流行が現代ではヴィンテージとして再評価されてされております。
伝統のライオンが、今度は線を強調したデザインで登場。輪郭のみでデザインされたエンブレムは「ライオン・アウトライン」として親しまれました。
このライオンが懐かしいと思う方、いらっしゃるのではないでしょうか。205や309に装着されていました。
現代的なデザインに生まれ変わったライオン
クロームで仕上げられたこのエンブレムは、素材の持ち味を活かして、より重厚感のある印象を伝えています。
このライオンエンブレムのプジョー車は今でも街で見かけますね。
現在のライオンエンブレム
これまで以上にダイナミックでしなやかなライオンに、2種類のメタリック加工を施しています。細部の仕上げに艶出し加工を使い、艶消し部分とのコントラストを出しています。
良く見比べてみないと違いが分かりませんが、
プジョーの新しいデザインにマッチしたエンブレムに変更されているのが分かりますね。